1995年3月13日月曜日

明 け が た



12" x 42"

夜が明けるまえ、家々はまだ寝静まっていて、うす暗くひっそりとしたひとときがある。 それを日本人は暁闇(ぎょうあん)という。 作家井上靖の随筆に、次のくだりがあるが、暁闇の雰囲気を上手に表現していると思う。

「夜明け前のくらやみは、幕あけ前の舞台のようにしいんとしていて、期待と興奮がみちみちてる。」

私の脳裏にある夜景は、Las Vegasのようにきらきらと輝いていない。 むしろ、San Joseのように、山に囲まれていて、ほかに何の飾りもないが、日があけると、興奮した雰囲気で一杯になるところを考えていた。 この絵から、そうした場所の夜明けを、感得していただければ幸いである。

Mr. and Mrs. Sundar Subramanian 所蔵。

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