1996年3月13日水曜日

まぼろし の 花



36" x 24"

20世紀初期の詩人北原白秋は、官能的でリズミカルな詩歌で有名である。 晩年には視力が弱っていたが、そうした逆境にまっこうから取り組んだ作品を書きつずけた。
「火のごとや夏は木高く咲きのぼる
のうぜんかずらありと思はむ」
この短歌を詠んだときの白秋は、すでに視力を完全に失っていたと言われる。
めしいの身
燃える炎か
蔓の花
上記の自作の句は、「まぼろしの花」と題する絵にそえて白秋に捧げ、視力を失っても私は、心で見る何かを画きつずけたいと誓う。

Mr. and Mrs. William Yee 所蔵。

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