1991年3月13日水曜日

源 氏 物 語



48" x 35"

日本では、時代を超えて白が尊ばれてきているが、それに並んで、日本独特の黒っぽい色が、王朝時代に流行したという。 当時貴族たちの衣は、紫の濃い色ほど地位が高いことを示し、緋色の位に属する廷臣たちも、できるだけ濃い赤系統の色で染めた衣を好んだので、緋色は紫に近い色になり、紫は黒ずんだ紫色になって、肩をならべて座した廷臣たちは、ひとまとめにして黒っぽい集合体にみえたわけである。

「源氏物語」と題する作品では、王朝時代の色彩感覚を表現するように努力すると同時に、優雅でロマンチックな十一世紀の王朝生活を、懐かしく想像しながら画いた。

Mr. and Mrs. William Yee 所蔵。

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